飯坂温泉を日本一有名な温泉地に~日本初・温泉街まるごとオールインクルーシブへの挑戦~

【9月例会(第4ブロック例会)】
日時:2026年9月15日(火)18:30〜
会場:アオウゼ多目的ホール
報告者:浪木 克文 さん(株式会社イノベーションシフト 代表取締役)
講演をきいて
9月15日の第4ブロック例会で、株式会社イノベーションシフト代表・浪木克文さんの講演を聴かせていただきました。某大手企業で支社長を務め、東京で赤字企業を立て直してきた浪木さんが、2021年に奥様のご実家のある福島市へ移住し、知り合いがほとんどいない土地でゼロから事業を築いてきた5年間のお話は、成功談というより失敗談の連続で、そこにとても引き込まれました。
ご自宅の敷地内の平屋や築85年のアパートを民泊に、五右衛門風呂の跡地をサウナ小屋に変え、消防団にも入り、大学の非常勤講師まで務めていらっしゃいます。ゲストハウス門出では、物件をよく見ずに契約したせいで旅館業の許可が取れず、初期費用が雪だるま式に膨らんだそうです。普通なら法律や許可を先に調べて「これは無理だな」と諦めてしまうところを、まず動いてから考えるという行動力に、ディスカッションの場でも驚きの声が上がっていました。

同友会が繋いだ縁
特に印象に残ったのは、飯坂温泉の国登録有形文化財「採進堂酒店」の再生です。同友会のつながりでボーダレス総合計画事務所の鈴木勇人さんから紹介された物件だそうですが、前のオーナーさんがなかなか首を縦に振ってくれず、契約が半年も遅れたとのこと。それでも粘り強くプレゼンを重ねて購入にこぎつけ、「泊まれる酒屋」としてオープンさせ、旅館16軒・飲食店27店が加盟する全国初の「温泉街オールインクルーシブプラン」にまで広げていらっしゃいます。

「地元の人は『そんなことできるわけない』と決めつけてしまう」というディスカッションでの言葉は、私自身にもぐさっと刺さりました。しがらみのない外からの視点で「まずやってみる」という姿勢こそ、いまの福島に必要なものだと感じた講演でした。
レポート/佐藤 大地(第8研究グループ長/株式会社東邦出版 代表取締役)